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「ひき裂かれた自己」・・・呑みこみ 
- 2007/09/01(Sat) -

「ひき裂かれた自己」   R.D.レイン


呑みこみ (engulfment)


ひとがひとりの人間としてほかの人間とかかわりをもつためには、


自己の自律的なアイデンティティについて堅固な感覚をもつことが要求される。


さもなければ、いかなる関係といえども、アイデンティティの喪失の恐れをもたらす。


その一つの形態が「呑み込み」と呼ばれる。


ここでは人間関係は、だれかもしくは何かとのかかわりを、


あるいは自分自身とのかかわりそのものさえをも、恐れるに至る。


というのは、いかなる関係においても、自律性の堅固さについての不全感が、


自律性とアイデンティティとを失いはしまいかという恐れに、


彼を直面させるからである。


・・・・・「呑み込み」にあっては、


理解される(したがって把握される、了解される)こと、愛されること


そして単に見られることにすら、危険が感じられる。


憎まれることはほかの理由から恐れられるかもしれないが、


憎まれること自体は、愛によって呑み込まれ(そう感じられるのであるが)


破壊されるのに比べれば、障害の程度はずっと小さいことが多い。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


存在論的に不安定な人間は


自分に対する他者の理解や愛を


「呑み込み」とみなして、恐れる・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


足が痛くて眠れない・・・・


眠れない夜は途方もなくながい


眠れない胸ははり裂けそうにひと恋しい


なつかしいひと、あいたかったひと、顔さえしらない遠いひと


二度と巡り会えない過去のひとびと


ベットのなかで丸まって胎児のように指吸って


叶わなかった夢を見ながら眠りにつこう・・・・・




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「ひき裂かれた自己」・・・内破implosion
- 2007/09/05(Wed) -

「ひき裂かれた自己」  R.D.レイン


内破(implosion)


ちょうど気体が噴入してきて真空を抹消するように、
いつ侵入してきて自己のアイデンティティを
破壊し抹消してしまうかもしれぬ世界へのあの恐怖。


人間は自分を真空のように空虚だと感じる。


だがこの空虚さが彼なのである。


一方ではこの空虚さが満たされることを熱望しながら、
彼はこうした事態がおこることを恐れる。


なぜなら自分があり得るすべては、まさにこの真空の
すさまじい無に他ならないことを
彼が感じるようになっているからである。


現実とのいかなる〈接触〉も、それ自体恐ろしい脅威として体験される。


なぜなら現実は、この立場から体験されるとき必然的に内破的となり、
それゆえ、呑みこみでのかかわり合いがそうであったように、
自分が自らもっていると考えうるいかなるアイデンティティに対しても
現実それ自体が脅威となるからである。


呑みこみや内破のおそれのある現実は、それ自体が迫害者である。


事実、わらわれはみなこの種の体験から隔たることわずかに
華氏2ないし3度のところにいるにすぎない。


ほんの微熱が出ただけで
全世界は迫害的な侵害的様相を帯びはじめるのである。

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